社会はますます、そのスピードを速めつつある。
だから本も速く読まねばというのではなく、
だからこそ、本くらいはゆっくり、時間をかけて読みたいものだ。
そうして、慌ただしい日々の生活の中に、
自分自身で作るゆったりとした読書の時間は、
どんなにささやかであっても、
かけがえのない人生のゆとりだろう。
社会はますます、
そのスピードを速めつつある。
だから本も速く読まねばというのではなく、
だからこそ、
本くらいはゆっくり、
時間をかけて読みたいものだ。
そうして、慌ただしい日々の生活の中に、
自分自身で作る
ゆったりとした読書の時間は、
どんなにささやかであっても、
かけがえのない人生のゆとりだろう。
『本の読み方 スロー・リーディングの実践』より
それでも、彼女はこの日、やはり何となく幸福だった。
その実感は、切り方を変えた千切りキャベツほどに微妙なものだったが、
しかし、意識して噛みしめれば、
はっきりとわかるほどの違いだった。
それでも、彼女はこの日、
やはり何となく幸福だった。
その実感は、切り方を変えた
千切りキャベツほどに微妙なものだったが、
しかし、意識して噛みしめれば、
はっきりとわかるほどの違いだった。
「息吹」『富士山』より
──ただ愛情を以て接するだけで、人はこんなにも喜ぶ。
そういう性質が、人間には予め備わっている。
その事実そのものの、胸の内に優しく触れられるような心地良さ。
──ただ愛情を以て接するだけで、
人はこんなにも喜ぶ。
そういう性質が、
人間には予め備わっている。
その事実そのものの、
胸の内に優しく触れられるような心地良さ。
『空白を満たしなさい』より



Message
作家メッセージ
最早、毎年恒例となった「一節週めくりカレンダー」、今年はニューヨークから遠隔で製作しました! 拙作の中から、読者のみなさんにお気に入りの一節を選んで戴くスタイルで、ついに6年目に突入!今年は月ごとのテーマに沿っての編集です。デビュー作『日蝕』から最新作『あなたが政治について語る時』に至るまで、27年間の言葉の数々。改めて、日々の生活の中でお楽しみ戴ければ幸甚です。数に限りがありますので、どうぞ、お早めに!
平野啓一郎

平野啓一郎の一節週めくりカレンダー 2026
¥2,300(税込・送料別)
平野啓一郎の小説作品から抜き出した
印象的な“一節”を、文庫本サイズで楽しめる週めくりカレンダー。
6年目を迎える今年は、しおり紐付きでさらに使いやすく、見た目にも楽しいデザインに進化しました。
ページをめくるたびに広がる平野作品の世界。日々の読書体験を、新しい形でお楽しみください。

53の心に残る一節を厳選
デビュー作『日蝕』から、映画化も話題となった『マチネの終わりに』『ある男』『本心』、そして昨年刊行の短篇集『富士山』まで、16作の小説から選りすぐりの一節を厳選。毎週1つずつ、全53節を楽しめます。
読者投票を参考に選ばれた一節は、長さや文体もさまざま。読むたびに力が湧くもの、日常の景色が少し変わるもの、もう一度小説を読み返したくなるもの──心に残る言葉が週ごとに連なります。

各作品にとっての記念日を掲載
各作品にとっての誕生日とも言える「刊行日」。
本の刊行日を気にすることは普段ないと思いますが、1年に1度、その作品が世の中に本として送り出された日に想いを馳せるのも味わい深そうです。『葬送』にちなみ、ショパンとドラクロワの生誕日・逝去日も掲載します。
簡単なメモ欄としてもお使いください。

どんな使い方にもマッチする
サイズ感と仕様
薄い文庫本のような作りで、手に馴染むサイズ感。
糸かがりコデックス装は、開きが良く、ディスプレイにも向いた製本。ブックスタンドに開いたまま置いておくことができます。
今年からスピン(しおり紐)が追加されたことで、今週のページをすぐ開けるように。使い勝手よく、視覚的にも楽しいデザインに進化しました。

月ごとに変わるテーマで、
ページをめくるのがもっと楽しみに
2026年版は、美しい自然描写を味わえる「自然の響き」から始まり、平野作品のキーワードである「愛」「分人」「運命」について等、月ごとに異なるテーマで一冊を編みました。
月々のテーマは立てつつも、滑らかな繋がりを感じていただけるように編集しています。
平野啓一郎の一節週めくりカレンダー2026 (オリジナル卓上スタンド付き)
¥3,100(税込・送料別)
「平野啓一郎の一節週めくりカレンダー」に専用スタンドをあわせてお届けするセットです。
一節週めくりカレンダーの重みやページの開き具合をもとに、卓上スタンドとしてのベストを模索し、設計しました。
スタンドをお使いいただけると、一節週めくりカレンダーを卓上でも飾りやすくなります。
※ 平らな状態でのお届けになります。取扱説明書をもとに組み立てていただき、ご使用ください
※ 糸かがりコデックス装での製本を採用した「一節週めくりカレンダー 2022」以降のカレンダーにお使いいただけます。

生産性手帳2026 平野啓一郎オリジナルカバーversion
¥3,000(税込・送料別)
平野啓一郎が20年弱使い続けてきた、不動の愛用品である「生産性手帳」。
オリジナルカバー versionで登場です!
手帳本体は「生産性手帳」そのままに、カバーのみオリジナルとし、生地と加工を1から平野啓一郎が選びました。
平野啓一郎がデザイン監修した、という主張は極力控え目ですので、どなたでも使いやすいはず。ミニマルな手帳をお探しの方におすすめです。
機能性の詰まったダイアリーと、シックで格調の高いオリジナルカバーをどうぞお楽しみくださいませ。

愛用理由は「ひたすら薄く、軽い。
余計なページが一切なく、見開きがカレンダーみたいで見やすい」
「携帯できる大判カレンダーがほしい」という声から考案された「薄い・軽い・シンプル」を備えたダイアリーは、生産性手帳が誇る逸品。
全56ページ・わずか7㎜の薄さながら、2027年3月までの予定を記入できるので、ビジネスシーンにおける年度スケジュール管理もこの1冊でばっちり。
生産性手帳は国産の用紙にもこだわり、印刷から製本まで国内で行っています。用紙は目に優しいクリーム系の色を使用し、裏うつりしにくい仕様です。

平野啓一郎監修のオリジナルカバー
色は、明るい印象のブラウンを選定。
2025年版のワインレッドとは雰囲気を変えました。

加工は、「ショパンの名刺」から着想を得て
厳選したカバーの表面には「DIARY」、裏面には
「KEIICHIRO HIRANO」クレジットを載せました。『ショパンを嗜む』の背表紙も思い出される、読めないほど字が小さいショパンのスタイリッシュな名刺から着想を得て、タイプライターで打ち込まれた文字を想起させるフォント・加工を施しました。
裏面は空押し(紙の上から圧力をかけて凹凸をつける方法)、表面はその空押し加工に、さらに箔押しを加えたW押し加工をするこだわりです。シックで格調の高いカバーに仕上がりました。

平野啓一郎の要望をもとに
2027年スケジュールも特別にお届け
生産性手帳本体には、2027年上半期までの一覧カレンダーが掲載されていますが、予定の立て方が長期化していることを踏まえ、下半期も含めた2027年全体のスケジュールを概観できる【別冊付録】2027年スケジュールも併せてお届けいたします。
つくりは生産性手帳本体のトーンと同じものですので、違和感なく別冊付録としてお使いいただけるはずです。
DETAIL
素材・サイズ
平野啓一郎の一節週めくりカレンダー2026
- ・2026年1月始まり
- ・A6文庫本サイズ
- ・週めくり
平野啓一郎の一節週めくりカレンダー専用卓上スタンド【組み立て式】
サイズ:
縦 約38.5cm×横 約16cm(折り曲げ前)
縦 約11cm×横 約10.4cm×奥行き 約11cm(仕上がり)
その他の注意事項
- ※製作途中のため、仕様が変更になる場合もございます。ご了承ください。
- ※限定販売のもので生産数も限られているため、発送前・発送後にかかわらず、返品は基本的にご対応しかねますので予めご了承ください。
- ※複数の商品を同時にご購入の場合、発送時期の一番遅い商品にあわせてのお届けになりますのでご注意ください。
生産性手帳2026 平野啓一郎オリジナルカバーversion
サイズ:A5判 縦217mm 横153mm
ページ:56
重さ:約170グラム
記入型:均等月間ブロックタイプ(月曜始まり)
記入欄:2025年12月~2027年3月
【付録】3年カレンダー(2026年・2027年・2028年)・年齢早見表・差し込み式鉄道路線図
・土日均等の月間ブロック
生産性手帳独自のページ余白を省いたデザインにより、記入欄を縦31mm×横36mmのマス目としました。またページ左端にフリー欄、右下に前月と翌月のミニカレンダーを配置。
・年度版対応
わずか56ページ(7mmの薄さ)で2025年12月から2027年3月までの16か月の記入欄は、年度版としても対応。これ1冊でビジネスシーンにおける年度スケジュール管理も可能です。
・携帯できる
余計なページを省くことにより重さ僅か170グラム。カバンにいれてもかさばりません。
その他の注意事項
- ※製作途中のため、仕様が変更になる場合もございます。ご了承ください。
- ※限定販売のもので生産数も限られているため、発送前・発送後にかかわらず、返品は基本的にご対応しかねますので予めご了承ください。
- ※複数の商品を同時にご購入の場合、発送時期の一番遅い商品にあわせてのお届けになりますのでご注意ください。

CREATOR

小説家。1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。
1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。40万部のベストセラーとなる。以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。
著書に、小説『葬送』、『高瀬川』、『決壊』、『ドーン』、『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、『マチネの終わりに』、『ある男』、『本心』等、エッセイに『本の読み方 スロー・リーディングの実践』、『小説の読み方』、『私とは何か 「個人」から「分人」へ』、『考える葦』、『「カッコいい」とは何か』『死刑について』『三島由紀夫論』等がある。2024年10月17日、短篇集としては10年ぶりの発表となる最新作『富士山』を刊行。2025年夏、過去7年間に書いた文学論・芸術論を収録した最新エッセイ集『文学は何の役に立つのか?』、新書『あなたが政治について語る時』を刊行。

MAIL LETTER

「平野啓一郎の一節週めくりカレンダー」は、公式メールレター読者の皆さまに寄せていただいた一節をもとに編集しています。
平野啓一郎の近況から、お知らせ、作品の舞台裏、読者と作り上げるグッズ展開まで、小説家・平野啓一郎よりお届けする、月に一度の公式メールレターです。
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