平野啓一郎
Keiichiro Hirano
デビュー作『日蝕』で芥川賞を受賞し鮮烈なデビューを飾って以来、時代を強く反映した多彩な作品群を書き継いできた。
昨今は各国語への翻訳も相次ぎ、「世界文学」として飛躍する「とき」を迎えている模様。常に自作の文学史における位置付けを意識するところから、自身の活動を区分けして考えているのもユニークだ。
曰く、『日蝕』から『葬送』に連なるロマン主義三部作を書いたのが第一期。果敢に文学的試行錯誤をおこなった第二期、「分人主義」を掲げ現代における個人のありようを探った第三期を経て、現在は『マチネの終わりに』などのベストセラーを生みながら現代の課題に鋭く斬り込む第四期の渦中にある。